ONE TEAM OHTAで

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昨年末にスリッパにロゴの刺繍を施しました。
持ち込みのスリッパは布地がフカフカして厚みがあり、
やはり製品になったスリッパは、やり難い部類に入ります。
(市販のスリッパ刺繍は布地の段階で刺繍されています。)
加えて刺繍位置も上カバーの端っこだったので、ハードルの高い刺繍でした。
がしかし、実際刺繍してみると思いの外、綺麗に仕上がり
案ずるより産むが易し!と思っていたら
女性用の小さなスリッパでは、
先に使用していた刺繍枠では入らない事に気がつき
ワンサイズ下の刺繍枠にしようと思ったのですが
そうすると刺繍サイズが男性用よりも
半分くらいの大きさになってしまい
作業を中断せざるを得なくなってしまいました。
刺繍の枠はオーダー品なので
ミシン屋さんに注文すると一ヶ月は掛かかり
それでは納期が間に合わない!
同業者に貸してもらうにも、もう暮れの28日では
どこもやっていないし
どうしたものかと考えていると
これはもう小さい方の枠をカットするしか無いと思い、
そして真っ先に浮かんだのが
前の店の近くで精密機械を営んでいたKさん。
Kさんは80才をまわる機械職人さんだが
電車の車両のある部分を作っていて
それが他所では出来ない精度の高い仕事なので
引退したいが、発注先が辞めさせてくれないと
話していた腕のいい職人さんなのです。
急いで自転車で下丸子に向い
留守ならもう諦めるしかないと思いつつ、
工場近くに来るとガラス戸に明かりがついていて、それを見てホッ
そして事情を話すと快く引き受けてくれました。
電動カッターに向かってフリーハンドで刺繍枠を動かしていくと
金属が擦れるもの凄い音と共に、金属の粉雪が部屋中に舞い上がった。
素手で作業をしていたので、後で聞いてみると
手袋は手が引き込まれると危険なので
素手で作業するのだと話していました。
カットされ手渡された枠はとても熱くて驚きました。
作業を止めて私の仕事をやって頂いたので
大変に申し訳なく思っていたのですが
これ以上時間を頂いては申し訳ないので
お礼を言ってから帰って来ました。
店に戻って、直ぐに作業に取りかかると
枠の一部が欠けているにも関わらず
スリッパをしっかりと固定し
なんの問題もなく綺麗に仕上げられました。
Kさんの協力のお陰で無事納品する事が出来きました。
ありがとうございます。
大田区には心意気も腕も素晴らしい職人さんが一杯います。
いつかまたONE TEAM  OHTAで!

 

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